野草・野鳥・風景写真集


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「葉室 麟」のこと

「何を今頃」、と思う方もおられると思うが、私にとって「葉室麟」はまさに彗星のように現れた小説家だ。
来歴を調べてみると、2005年、「乾山晩愁」で第29回歴史文学賞を受賞して文壇にデビューした後、2007年には松本清張賞を受賞、以後毎年のように著名な文学賞の候補に挙がり、2014年には新人作家の登竜門である直木賞を射止めた。作家歴は今年でまだ10年余。それでもすでに40冊ほどが出版されていることからするとその人気の程が伺える。

元々私は歴史小説愛好者で、様々な作家の小説を読み続けているうちに、池波正太郎、山本周五郎、藤沢周平といった時代小説にまでウイングが広がって、最近では「なんでもあり」というような状態になっている。しかし、想いはやはり歴史小説にあって新進気鋭の作家の登場を待ちわびていた。そんな折、最近書店の新刊本コーナーで葉室麟の著書を多く見かけるようになり、なんとなく興味をそそられて数冊読んでみたらこれが面白く今ではすっかりハマってしまった。

彼の小説は、特別派手さはないものの、落ち着いた文体で時折文中に漢詩や和歌を織り込み、それが小説全体に格調の高さを生み出しているようにもみえる。彼は九州の出身ということもあって、小説の舞台は九州ゆかりの題材が多数を占めており、それも薩摩藩のような大藩ではなく、名も知られていないいような小藩が目立つ。したがって登場人物も歴史の表舞台で活躍した著名人より傍流であまり目立たない人物にスポットを当てている。

もちろん、小説であるからその主人公は作者の創作によるところが多いのは当然のことながら、彼の描く主人公は、人間としての矜持とか優しさを保ちつつ、人間が生きていく上での悲しみや苦しみを乗り越えて、凛とした生き方を追求する姿が読者の共感を呼ぶのかもしれない。そういった意味では藤沢修平や山本周五郎とはまた一味異なる小説であるともいえようか。

最近読んだ小説の中で「花の美しさは形にありますが、人の美しさは覚悟と心前ではないでしょうか」という言葉があった。自分の志操を曲げることなく、自分が大切だと思うことを貫き通すというのは口では言い得ても実践することは容易ではない。彼の小説に登場する主人公たちは決して大言壮語を吐くわけではないが、静かな中にも心底にそうした芯の強さがにじみ出ており、そこに人間としての生き方の美しさを求めているようにも見える。まだ読み始めてから10冊程度で葉室麟を語るには少々僭越なこととは思うが、今後の活躍を期待したい。
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by shun_photo | 2016-03-07 15:51 | 読 書