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野草・野鳥・風景写真集


by shunfb

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Songs My Mother Taught me

今回は珍しく音楽の話。「Songs My Mother Taught me」、日本語では「我が母の教えたまいし歌」と訳されている。この曲は、チェコが生んだ偉大な作曲家、アントニン・ドボルザーク作曲の全7曲からなる「ジプシー歌曲集」作品55の第4曲のことで、アドルフ・ハイドゥークによるチェコ語の詩を作曲者自身がドイツ語に訳して作曲された。因みに、チェコ語では「Kdyz mne stará matka」、ドイツ語では「Als die alte Mutter」、この稿の標題に記したのが英語版のタイトルである。

なぜ英語版をタイトルを標題に用いたかというと、今からかれこれ30年以上も前、初めてこの曲を聴いたのがバスバリトンのオペラ歌手、ポール・ロブソン(Paul LeRoy Bustill Robeson)が唄ったレコードだったからで、その時の印象が強く残っており、いつか覚えたいと思っていた。

ポール・ロブソンは、俳優、運動選手、バスバリトンのオペラ歌手、作家と多彩な活動歴を持つ。父親は奴隷の子として生まれ、ノースカロライナ州のプランテーションから逃れ、後にペンシルベニア州のリンカーン大学を卒業して教会の牧師となった。ポール・ロブソンもまた大変な努力家で、高校を主席で卒業し、大学ではアメリカン・フットボールの選手としては、大学史上初のオール・アメリカンに選ばれ、卒業式では総代でスピーチを述べるほどの優秀な存在であった。また公民権運動家として人種差別などと戦った。

昨年、久しく遠ざかっていたコーラス(クワルテット)を再開してほぼ1年近く経った。当初は声も出ず、音とりも不安定だったが「昔取った杵柄」というわけではないが、比較的短期日のうちに音感が戻り、このごろになって声も次第に出るようになってきた。何事も上達するにつれて興味が深まり意欲も向上するもので、コーラスとてその例外ではない。

最近では月1回の練習日ではなんだか物足りなくなってきて、もう少し歌う機会が増えないものかと密かに思っている。練習に使用する曲は、過去に歌ったことがあるものが多く、言わばコーラス仲間ではナツメロといった感じ。それだけでは面白みがないので何か新しい曲をと、ネットでクワルテット向きの曲を探して取り寄せたり、手持ちの合唱曲集から自分好みの曲などを漁っている。時には、かつて手書きで作成された古い曲などを「スコアーメーカー」という楽譜作成ソフトを利用して譜面を入力することもある。

楽譜の作成は、難しくはないものの、ツールボックスの中から楽譜の1音1音を音の長短によって音符を選択したり、各種記号を五線の所定位置に貼りつけるというまことに根気の要る作業である。まあ、毎日が日曜日で時間は売るほどある私にとっては良い暇つぶしにはなる。これまで合唱譜を7曲ばかり入力して、かなり作業には慣れてきた。

ネットでは、聴きたい曲のほとんどは「You Tube」を検索すれば見つけることができる。このところ黒人霊歌の合唱曲が聴きたくていろいろ漁っているうちに、偶然にも探し求めていたポール・ロブソンの「我が母の教えたまいし歌」に出会った。あの鋼のような質感のある低音は素晴らしく、また哀愁を帯びた歌い方がなんとも言えず心に響く。

この曲は、ドボルザークがウィーンで活躍していたボヘミア出身のテノール歌手グスタフ・ヴァルター(Gustav Walter)を念頭に置いて作曲したとのことで、ソプラノ歌手などが多く唄っている。ポール・ロブソンはこれを原曲より1オクターブ下げて歌っているが、なんの違和感もなく元々そうであったかの如く耳に馴染む。何度か聴いているうちに、この曲を採譜してみようと思い立った。まずは歌詞を探してこれをコピペによりExcelに保存しておき、次に採譜作業に取りかかった。

「You Tube」にある曲のページをいったんWebの「お気に入り」に保存し、再生時、2小節ぐらい聴いては自分で口ずさんで音を確かめ、それを楽譜に落とす作業の繰り返し。家には楽器が無いので音の高低は音叉1本だけが頼り。ある程度音符の入力が進むと音符に合わせて歌詞を割りつける。英語力の弱い私にはこの作業が一番面倒で、何度も何度も曲を聴き直しては歌詞を書いていく。「スコアメーカー」には演奏機能もあるので、採譜した楽譜を音で確かめることができるのが便利。

つい先日、この採譜作業を終えたので、ついでにポール・ロブソンがブロードウェイ・ミュージカル「ショー・ボート」で唄った「Ol' Man River」も採譜したくなって、昨日からその作業に入り、先ほど楽譜が完成した。これも一度は唄ってみたかった曲であっただけに、今は満足感に浸っている。で、どこで歌う? いえいえ、自分独りで楽しむだけ。

最後に、「我が母の教えたまいし歌」のドイツ語、英語の歌詞と日本語訳を掲載します。

ドイツ語歌詞 Als die alte Mutter
Als die alte Mutter
Mich noch lehrte singen
Tränen in den Wimpern
Gar so oft ihr hingen

Jetzt wo ich die Kleinen
Selber üb'im Sange
Rieselt's mir von Auge
Rieselt's oft mir auf die braune Wange!

スペインのソプラノ歌手ビクトリア・デ・ロス・アンヘレスによるドイツ語の歌
いかにもソプラノらしい伸びやかな声で優しく唄われている。
http://meikyoku.exblog.jp/15576733 

日本語訳詞 我が母の教えたまいし歌
母の教えてくれた歌は
遠い昔の日
母のまぶたには
涙が消えることがなかった

今、私は子供らに教える
その節の一つ一つを
すると涙があふれる
私の懐かしい思い出に

英語歌詞 Songs my mother taught me
Songs my mother taught me
In the days long vanished
Seldom from her eyelids
Were the teardrops banished

Now I teach my children
Each melodious measure
Oft the tears are flowing
Oft they flow from my memory treasure

ポール・ロブソンによる英語の歌
響きのある低音で母親を慕うような歌い方が耳に心地よい。
http://www.youtube.com/watch?v=x2pt8re5oYA&list=RD02rnXyGr668wg

< 参考1 > Ole' Man River ポール・ロブソン
黒人の民権運動家であっただけに、魂に訴えるような迫力が感じられる名唱。
http://www.youtube.com/watch?v=k2lGxGrYz-0

< 参考2> Ole' Man River サミュエル・レイミー
こちらは本格的なバスバリトンのオペラ歌手が歌ったもの。圧倒的声量にはただ感嘆するばかり。
http://www.youtube.com/watch?v=-m82TO9chA0
by shun_photo | 2013-08-15 12:45 | ときどき日記